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事業創造の現場で磨かれる「戦略力」と「実行力」とは ―ラグザス×東大阪ブランド推進機構「東大阪リ・ブランディングPJ」を通じて―

イントロダクション 私たちラグザスは、社会を変える「当事者」として、サービスを創出するだけでなく、それを価値あるものとして社会に届け切るところまで、一貫して責任を持って取り組んでいます。すでに出来上がった事業に資本を投じ […]

イントロダクション

私たちラグザスは、社会を変える「当事者」として、サービスを創出するだけでなく、それを価値あるものとして社会に届け切るところまで、一貫して責任を持って取り組んでいます。すでに出来上がった事業に資本を投じ、拡大を支援する投資会社としての役割ではなく、私たちは自らの手で事業を立ち上げ、磨き上げ、社会に実装することを事業の中心に据えています。
この「0→1の創出」から「1→10の成長」はもちろん、その先の社会への浸透や定着に至るまでを一気通貫で担う過程では、特定のプロセスに閉じたノウハウだけでは不十分です。プロダクト全体を俯瞰しながら課題を構造化し、必要な手段を選び取り、実行へと落とし込む力が求められます。その結果として、打ち手を設計する戦略力と、関係者を巻き込みながら前進させる推進力が、実践の中で強く培われていきます。
そして現在、こうした戦略力と推進力そのものが、自社事業の推進という枠を超えて、社会課題解決の現場でも価値として求められるようになっています。今回はその実例として、私たちが東大阪ブランド推進機構と共に推進している「東大阪リ・ブランディングPJ」についてご紹介します。

プロフィール

河北 一朗(かわきた いちろう)

東大阪ブランド推進機構 理事長、「株式会社カワキタ」代表取締役社長。
東大阪市のモノづくり文化の中で80年にわたりプラスチック製品を中心とした商品を扱う企業を、三代目代表として経営する傍ら、東大阪ブランド推進機構 理事長としても東大阪ブランドの普及・浸透に向けた取り組みを牽引している。

川原 毅史(かわはら たかふみ)

ラグザスにて、複数事業の立ち上げから成長フェーズまでを一貫して担う。「オリエンタスナビ」では事業企画としてサービスの0→1創出を推進し、「忍者CODE」では1→10のグロース局面における戦略設計と実行を担当。現在は「045(フォーティファイヴ)」にて、自治体を含む多様なクライアントに対し、課題整理から施策推進までを伴走するコンサルティング業務に携わっている。

▲河北 一朗氏(写真右)と、川原 毅史(写真左)

東大阪リ・ブランディングPJとは

「東大阪リ・ブランディングPJ」とは、東大阪ブランド推進機構とラグザスがタッグを組み、共に推進しているリブランディングプロジェクトです。ブランド立ち上げ20年という節目を機に、これまで積み上げてきた認定製品の価値を土台としながら、「東大阪ブランド」を次のフェーズへ進めることを目的に始動しました。

具体的には、ブランドの認知拡大(アウターブランディング)と、会員企業が主体となって推進できる基盤づくり(インナーブランディング)を両輪とし、東大阪のモノづくりの価値をより広く社会へ届ける仕組みの構築に取り組んでいます。ラグザスは本PJにおいて、構想の設計から推進までを伴走しながら、東大阪ブランド推進機構の皆さまと共にプロジェクトを前に進めています。

東大阪のモノづくりの価値を可視化し、伝播する ─東大阪ブランド推進機構の目指すビジョンと課題

河北)

「東大阪ブランド推進機構」が目指しているのは、「東大阪ブランド」を広く社会に波及させていくことです。東大阪市は関西経済の中心地に隣接し、交通の利便性にも恵まれた立地にあります。そうした環境のもと、多種多様な企業が集積し、高い技術力を背景に“モノづくりの先進都市”として知られてきました。実際に、可住地面積あたりの事業所密度は全国1位、事業所数も政令指定都市を除くと全国1位というデータにも、その特徴が表れています。

この東大阪のモノづくりの魅力を全国へ発信し、優れた製品を認定する仕組みとして誕生したのが、東大阪市の認定ブランド「東大阪ブランド」です。日本のモノづくりをリードする存在として、優れた製品を認定ブランドとして認定することで、東大阪市のモノづくりの魅力を全国に波及させていく。そしてそれによって、モノづくりをする企業自身も既存商品の改良や開発に更に意欲的に取り組みより良いものを社会に届けていける。このサイクルを創り出す事を目的に「東大阪ブランド」は誕生しました。そして、その普及・浸透を担う組織として設立されたのが「東大阪ブランド推進機構」です。

こうした取り組みの結果、価値ある製品が次々と認定され、現在では全99社171製品(2026年3月1日時点)が認定商品となっています。東大阪のモノづくりの魅力を形にし、積み上げてきた歩みが、着実に成果として表れ始めていると言えます。

その一方で、次なるフェーズとして、より広く社会へその価値を波及させていくための論点も明確になりつつありました。
東大阪ブランド推進機構において、次なる重要なテーマとなっていたのが、
①東大阪ブランドの認知拡大(アウターブランディング)
②推進を支える会員企業同士の団結力・熱量(インナーブランディング)
です。認定という形で可視化された価値を、いかに「東大阪ブランド」として広く認知させていくのか。そして、その推進力として、東大阪のモノづくり企業が本来持つ強みである“横のつながり”をいかに高める、つまりブランド推進を支える会員企業の団結力や熱量へとつなげていくのか。これらが、次なるフェーズにおける重要な論点として捉えられていました。
こうした背景を踏まえ、ブランド立ち上げ20年という節目において、リブランディングを図るべく大きく舵を切ることになったのが「東大阪リ・ブランディングPJ」でした。

長期的かつ根本的なリブランディングを設計する ―ラグザスとタッグを組むことになった背景

河北)

東大阪リ・ブランディングPJを本気で推進していくうえで、外部のプロフェッショナルの視点を取り入れることは不可欠だと考えていました。その中で川原さんとご一緒したいと思った理由は、端的に言えば「3年後を共に描ける」と感じたからです。制作会社やマーケティング支援に特化した企業様のお話も伺ったのですが、やはり短期的かつ部分的な施策によって一時的な成果をつくるだけではなく、中長期のビジョンを見据えながら、必要な打ち手を構想し、実行まで伴走してくれるパートナーを探していました。川原さんのお話を伺ったときに、それを最も実現してくれそうだと感じましたし、だからこそ「一緒に面白いことができそうだ」と直感したんです。

川原)

私自身も、初めて河北さんのビジョンを伺った時点から、狙うべきは一時的な成果ではなく、中長期にわたってブランド価値を波及させていくことだと捉えていました。これはこれまで自社でプロダクトを創出し、グロースさせてきた経験の中で、目の前の課題をどう解決するかという視点だけでは、事業やブランドは本質的には伸びないと実感していたからです。重要なのは、社会全体の目線から事業を俯瞰し、「最終的に何を実現したいのか」という理想(ビジョン)から逆算して、プロセスを設計することです。だからこそ当初から河北さんとは、「中長期のビジョンから逆算して、今なにをすべきか」というお話をさせていただいていました。

具体的に描いた構想とは

川原)

中長期的な目線での東大阪ブランド推進機構が目指すビジョンは、河北さんからもあった通り、「東大阪ブランド」の価値を日本、さらには世界へと広く発信し、その結果として会員企業の意欲が高まり、東大阪からより良いモノが次々と生まれていく。そんな好循環をつくることです。
この最終ゴールを見据えたうえで、段階的に取り組みを設計しました。

その中で、まず着手すべきだと考えたのは、「東大阪ブランド」が本来もっとも身近であるはずの東大阪のステークホルダーに対して、魅力を発信し、認知を高めていくことでした。まずは東大阪市を起点に、東大阪ブランドそのものの認知度を引き上げることが、認定企業にとってのメリットにも直結すると考えたからです。

「認定されたけれど、特に何も起きない」という状態を打破できれば、河北さんがブランドの認知拡大と同時に課題として挙げていたインナーブランディングの改善にもつながります。ですのでまずは足元から認知を広げ、そこから全国へ波及させていく。そのための仕組みをつくりたいと考えていました。

その手段の一つとして、まず選択したのがSNSです。東大阪ブランドには、ToCからToBまで幅広い製品が存在します。この多様性を発信する媒体として最も適しているのがSNSだと考え、まずはSNSを活用し「ブランド認知の基盤」を築くことを重要な打ち手として位置づけました。

そして今年は、その基盤づくりの一年として、認定企業の若手社員を中心に編成されたSNS広報チームの運営統括を担うとともに、マーケティング戦略の策定から実際の情報発信に至るまで、ブランド発信の土台づくりに必要な取り組みを幅広く進めてきました。

更なる加速と、自立したブランド推進機構の基盤育成を ―今後、東大阪ブランドの価値波及に向けて取り組みたいこと

河北)

川原さんも言うように今年は、東大阪ブランドを改めて前に進めるための「土台づくり」の一年でした。まずは足元を整え、発信や推進の基盤をつくるところから着実に取り組んできた感覚があります。次の一年は、その土台を活かしながら、取り組みのスピードを一段階引き上げていきたいと考えています。
同時に、川原さんにはさらに私たちのチームに入り込んでいただき、これまでの知見やノウハウをより深く共有してほしいと思っています。そして最終的には、ブランド推進のために会員企業自身が自分たちで考え、動ける状態をつくることが目標です。その足がかりとして、今後会員企業向けのセミナーなども実施いただく予定になっています。

川原)

引き続き、東大阪ブランド推進における企画立案と遂行は、私自身もPJ開始当時に描いたシナリオを元に主導していきます。ただ、最終的に目指すべき姿は、河北さんがおっしゃる通り、会員企業の皆さま自身が主人公となってブランドを牽引できる状態だと考えています。東大阪ブランドの価値は、実際に製品を生み出している会員企業の皆さまが最も深く理解しているからこそ、その当事者が推進の中心に立つことが、認知拡大における最大の推進力になるはずです。
そのためにも、会員企業の皆さまとより直接的にコミュニケーションを取り、推進機構のチームの一員として伴走しながら、熱量の“起点”になっていきたいと思っています。現場に近い距離で動くことで、実行のスピードもさらに高められると考えています。
また、東大阪ブランドがこれまで積み重ねてきた取り組みを踏まえつつ、私たちだからこそ提案できる手段も加え、推進の選択肢そのものを広げていきたいと思っています。

自ら創り、届け切る。その力が未来を拓く

今回の「東大阪リ・ブランディングPJ」を通じて改めて分かったのは、本質的な課題解決において求められるのは、専門的な知識やスキル以上に、課題を整理し、目指すべき姿を描き、実行可能な形に落とし込み、関係者を巻き込みながら前に推し進めていく力であるということです。
事業を創り、価値として社会に届ける。ラグザスは、それを自らの手で成していくことを企業活動の中心に据えてきました。その過程では、プロダクト全体を俯瞰しながら戦略を描き、マーケティングの視点で届け方を設計し、実装までやり切る推進力が求められます。こうした力は、自ら未来を切り拓き、社会に新たな価値を創出する当事者として事業に向き合う中で磨かれていくものです。
そして今回のPJは、その力が自社プロダクトの枠を超え、社会課題解決の現場でも発揮されることを改めて示す機会にもなりました。
目の前の施策による短期的な成果に閉じず、ブランドが目指すべき未来から逆算して設計する。そして描くだけで終わらせず、既存の枠組みにとらわれずに必要な手段を選び取り、実行へと移していく。こうした一連のアプローチは、事業創造を自らの手で担い、価値を社会に届け切る責任を負ってきたラグザスだからこそ培われたものです。
私たちはこの力を携え、「今ここにない未来を創り出す」という高い目標をもって挑戦を重ねることで、「今ここにない未来」をこれからも創出していきます。